齋藤洋一イラストレーション

見張り塔

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見張り塔

その昔、見張り塔付きの大きな城が作られた。
しかし、戦争で水攻めを受け沈没。
そして年月が過ぎ、釣りスポットや読書空間など、
地元民だけの秘密の場所として第二の人生を
過ごす見張り塔、といったイメージです。

恥ずかしながらPhotoshopに水彩画のように
描けるモードがある事を知りませんでした。
最近それを知って、いろいろ試してみた結果
本作品が出来ました。

やってみて感じた事は、いかに心にブレーキをかけるか、です。
水彩画の様に描けるのはとても楽しい半面
「じゃあPhotoshopじゃなくてアナログの透明水彩で描けば良い」
というアンチテーゼが出てきてしまいました。

アナログが特異とする分野はアナログの方が優れているのは当然です。
それをデジタルで再現するという事は、
さきほどの対立命題をどう克服するかと同義になります。

自分なりの答としては、デジタルが特異とする分野はデジタルで行い、
あえて色ムラが欲しかったり、僅かな変化が欲しい部分のみを水彩モードで
描くと、デジタルと無理なく共存が出来ると感じました。
これならデジタルで水彩を行うメリットが立ち上がってきます。
色々試したくなっても、心にブレーキをかけてやりすぎないことが
大切なんだな、と思い「いかに心にブレーキをかけるか」を
暫定解答に据えておきました。

題名:見張り塔
テーマ:忘れ去られた後顧、沈没、水中と水上、過去と現在、日常
制作:2017年
サイズ:297 × 210 mm
素材:ケント紙、ミリペン、photoshop


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