星占い

以前とあるスキー場のレストランに行った時、
テーブルに丸形のルーレット式の星占いの機械がありました。
wikipediaによると、正式名称は「卓上小型自動販売機」と言うそうです。

私が小さい頃はレストランに入ればよく見かけましたが
最近はほとんど見なくなりました。
そんなときにこのルーレット式おみくじを見て
懐かしくなったのと同時に絵にしてみたい
と思い、本作品を描きました。

2月に着想を得ながら、作品完成は8月の終わりという
ひどく時間のかかった作品です。
本作は本来は喫茶店の背景にしようと思ったのですが
うまく行かず、結局富士山を背景に
UFOとか夜景とか、浮世絵とかいろいろごちゃごちゃさせました。
限りなくノーテーマに近い秩序といった感じです。
いつもの自分には珍しく、着色に関しては
冒険をせず無難な配色で纏めています。

星占いに夢中になる青年と、その姿に呆れ気味に眺める
ウエイター、という構図です。
今にして思うと 銀河戦争の午後
とあまり変わっていないなと、自らの未熟さを実感。

ちなみに右下の浮世絵風の女性は
鳥園斎栄深の「鷹匠」という作品からの模写です。
（模写の割には下手で恐縮です）

服の柄は、19世紀末のアメリカ北西部太平洋岸の
部族によって描かれた木彫品の柄を
模写しています。現代でも十分通用するデザインに
感服し、本作品の一部に取り入れてみました。
今度はコロンブス到来前のアメリカ原住民の
デザインをテーマにしたイラストを描いてみたいです。

題名：星占い
テーマ：星占い、ルーレット式おみくじ、喫茶店、上の空
制作：2019年
サイズ：297 mm × 420 m (A3)
素材：ケント紙、ミリペン、デジタル彩色